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2006年5月10日

200文字の読書感想文「海辺のカフカ」

村上春樹『海辺のカフカ (上)』新潮文庫,2005年

村上春樹『海辺のカフカ (下)』新潮文庫,2005年

村上春樹『海辺のカフカ』を読んで……

「これは小説じゃない」。と、ろくに本を読んでいない私が言える台詞ではないが、もしも「小説」というものが、もうちょっと狭い概念のものだったとしたら、これはそれを逸脱した魅力をもっていると思う。言うならば、2つの小説が、徐々に関連性を増しながら進んでゆくさまは、紙の表現を超えたもののようにも感じる。

まったく別話だが、10年ほど前のドラゴンボールのスペシャルで、ドクタースランプアラレちゃんが住んでいるペンギン村に悟空たちが降り立ったときの感情が思い出された。

ストーリー性とは関係なく、あっという間に別の世界に引きずり込まれる、そんな文の力を持っている作家だと思った。

関連リンク:2005年の「新潮文庫の100冊」でも読むか

コメント(2)

私は学校の宿題でこの本を読んだんですけど、チョーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつまらなかったです。

ポコちゃんさんはじめまして。貴重なコメントありがとうございます。

そうですか。私はとても素直な意見だと思いますよ。ただ、伸ばし棒が多すぎますが。w

というのも、私はこの本を学校の宿題にする、その先生の意図がわかりません。つまり学生にどんなことを学ばせようとしているのかが見えないんです。

私が考えるこの作品のすばらしいところは、表現力というか、読者がその場に引き込まれる文章のすばらしさと世界観だと思いますが、それを感じるために1000ページを宿題として読むのは長すぎると思います。それを感じるなら、この作家のデビュー作である「風の歌を聴け(150ページほど)」で十二分に感じることが出来ます。

それに、ポコちゃんさんと同じような意見も持つ人も数多くいますよ。amazon等のレビューを見てみるとよく現れていると思います。色々な理由があるみたいですが、総括すると「分かりにくいから」だと思います。
作家自身も下のリンクを見ていただくと分かりますが、複数のストーリーの結末は決められず、完全にノープランで進められたと言いますから、そりゃ文中に明確なヒントが隠されているわけでもないので、分かりにくいのはあると思います。
http://book.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/353414-1.html

そんなわけで宿題として学ぶために強制されて読むような本ではないと思います。
一度、その先生になぜこの作品を選んだか聞いてみてください。

最後に、この作品は現代人が癒しを求めるのにちょうど良いと私は感じます。ですので、また気が向いたら自分から読んでみてください。そのときは、楽しく読めると思いますよ。

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このページは、マス風が2006年5月10日 23:34に書いたブログ記事です。

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