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2009年9月30日

[小説] 今日もスリッパで帰宅

9月29日火曜日、小雨。

昼間に感じられる残暑も少しずつ穏やかになり、

朝晩は寒さを覚える季節になった。

クールビズも終わり、久しぶりに上着を着て会社にいく日々。

違うことといえば、マスカゼがイケテルサラリーメンを目指していることぐらい。

それ以外は、何も変わらない。そんな、平和な国だ。

そんな中、僕はもう覚悟が出来ていた。

そう、今日もスリッパで帰宅することを。

こんなことは会社のエレベータに乗ったときから、

気づいていた。

そして、外に出ると小雨が降っていたが、

まったく迷うことはなかったんだ。

そう、僕の中には、強い一本筋の通った

自信があったんだ。

人は外見じゃない。

もし、僕がスリッパで帰っているからといって、

こそこそと振舞っていたらかっこ悪く映ってしまう。

ここは堂々と、いつもどおり本を取り出し、大またを広げて、

電車で読書に勤しんだ。

いつもより、思いのほか集中できた。

そこで思い出した。

日本ってなんてちっぽけなんだろう、って。

世界ではものすごく大変な、ことが毎日といっていいほど起こっている。

それなのに、日本人は小さなことで騒ぐんだ。

だから、大切なものを見失ってしまったのかな。

一番大切なこと。それは、自分の中に存在する気持ちなんだよ。

自分の気持ちを大切にすること、これが僕たちの原点だ。

そして、残された明日への道。

こんな平和な世の中なのに、

みんな不幸だとか、面白くないとか、お金がないとか、忙しいとか、

そんなつまらないことばかりで日々が埋められている。

それでは、いくら付加価値を生み出したとしても、

本当に大切な人には受け入れられないちっぽけな付加価値だ。

自分の気持ちに素直になったときに見える姿が、

自分が目指す姿。

だから、今日も僕はスリッパで帰宅する。

それが原点に返れるような気がするから。

無理やりやれとは言わない。

確かに、視線が気になるんだ。

でも、それを乗り越えたとき、

新しい自分、そして社会に出会えるんだ。

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